ニュース・フラッシュ(ニュース短信)         ▶過去のニュース短信へ

市民の前で事業存続の是非問う
 川越市が「公開事業点検」初の試み
          7月24 
一般市民(左奥)が見守る中、テーマごとに議論し事業の存続について"仕分ける"点検人。右奥は市の担当部課長ら
一般市民(左奥)が見守る中、テーマごとに議論し事業の存続について"仕分ける"点検人。右奥は市の担当部課長ら

公開の場で初の事業点検
 行政の無駄を見直す「事業仕分け」の川越版とも言える初の「川越市公開事業点検」が24日、郭町の市民会館会議室で一般市民や市議ら168人が見守る中で行われました。
 この日、存続の是非が話し合われたのは職員研修、市内循環バス、公用車の管理、学校体育施設の開放、要介護高齢者手当、総合健診・スマイル健診、環境マネジメント事業、勤労者住宅融資の8事業について。
午前9時45分から午後5時10分まで、休憩を挟みながら各テーマ45分ずつ点検が進められました。

石川 久さん
石川 久さん
田中 富雄さん
田中 富雄さん
佐野 勝正さん
佐野 勝正さん
松下 明正さん
松下 明正さん
点検人7人が存続の是非問う
 市民の立場で事業の点検人を務めたのは、石川久さん(淑徳大教授)、田中富雄さん(三郷市職員)、佐野勝正さん(公認会計士)、林誠さん(所沢市職員)、結城浩一郎さん(和光市職員)、中島雄一さん(富士見市職員)、松下明正さん(公募市民)の7人。
 各テーマごとに、まず担当部署の部課長らが事業について説明。点検人が質問し、事業の意義や在り方をチェックしていく方式で進められました。石川さんと田中さんが交代でコーディネーターを務め、市職員とのやりとりを経て残る6人が各々判断し、事業を「廃止」「民間化」「国・県で実施」「改善」「継続」の5つに分類していく形式。判定が同数で分かれた場合のみ、コーディネーターの1票が追加されて多数決が付けられました。

林 誠さん
林 誠さん
結城 浩一郎さん
結城 浩一郎さん
中島 雄一さん
中島 雄一さん
8事業中、3つが「廃止」評価
 職員研修については「毎回1.000万円以上もの予算を使って外部研修に頼るのではなく、過去に研修を受けた職員を講師にして実施し、経費の削減を図るべき」として、全員一致で「改善」の評価が下されました。

 市内循環バス(川越シャトル)については、「福祉の一翼を担う以上、絶対に黒字にはならないことが分かっている事業について、市民に現状をしっかり情報公開し合理性を確保していくことが必要」として、「廃止」が1票・「改善」が5票で、評価は「改善」とされました。

 公用車の管理については、「車両や職員の削減努力が足りない。費用を管財課が負担するのではなく、利用する各課負担にすれば無駄は減るはず」として、全員一致で「改善」すべきとされました。

 学校体育施設の開放については、「管理運営を運営委員会に任せきりで、指導監督が甘い。利用が特定のグループに偏っており、新規利用者を増やして公平性の向上を図るべき。利用無料はおかしい、受益者負担分の利用料を取るべき」などの意見が出され、全員一致で「改善」すべきとしました。

 要介護高齢者等手当支給については、「支給対象が要介護3以上となっているが、根拠があいまい」「金銭での支給は、本人や家族の負担軽減にはつながらないのでは」などの意見が出され、「廃止」が4票・「改善」が2票となり、多数決で「廃止」すべきとなりました。ただし、「制度を廃止するにあたっては、条例改正に向け十分な議論や市民への周知が必要」との前提条件が付けられました。

 総合健診・スマイル健診事業については、「日ごろ健康診断を受ける機会のない市民のための制度なのに、実際には会社などで検診が受けられる社会保険加入者が受診者の74%を占めている」として、「廃止」3票・「改善」3票に評価が分かれました。このため、コーディネーターの「廃止」票1票が加えられ、「廃止」すべきであるとされました。

 環境マネジメントシステム推進事業については、「ISO14001の認証取得にコストを掛けるのは無駄」「環境への取り組みは継続し、自己適合宣言すればいい」などの意見が出て、「改善」4票・「廃止」2票となり、「改善」すべき事業と判断されました。

 勤労者住宅資金融資については、「市中金融機関の利率の方が低くなっており、10年間も新規利用者がいない状態で、社会的役割は終わった」「今となっては高い金利を払っている既存の契約者130人に、繰り上げ返済や市中金融機関への乗り換えの案内もせず、放ったらかしにしている」などとして、事業の進め方に疑問の声が集中。全員一致で「廃止」すべきとされました。

公開事業点検で挨拶する川合善明市長(右)
公開事業点検で挨拶する川合善明市長(右)
市長自らの反省交え、市政改革を約束

 初めての公開事業点検を終え、閉会にあたって川合善明市長が挨拶。
 「私も傍聴させてもらったが、職員の意識を変えるためには、外部の人にいろいろな点を指摘してもらいながら進めていかなければいけない、ということを再認識した。『市政を変える』と宣言して市長に就任した私だが、時間が経つにつれ事業が進まない理由に納得してしまっている自分に気付き、反省している。職務がマンネリ化し、事業を与えられたものとして何も考えずに進めていくという姿勢は、ぜひ変えていかなければならない」と自らの反省も交えて率直に話し、傍聴の市民

 

に「開かれた市政を目指して、できる限りのことをやっていきたい」と約束しました。


「職員の意識改革が狙い。来年も続けたい」
 本紙取材に川合市長は「事業点検の内容については、私と副市長で最終的に選んだ」といい、「職員が自分のやっている事業を自発的に見直すという、意識改革のきっかけにしたかった。問題を俎(そ)上に載せて客観的な視点を取り入れる試みとして、来年度以降も続けていきたい」と話していました。
(写真は郭町の川越市民会館会議室で)
初めての公開事業点検の様子を見守る市民ら
初めての公開事業点検の様子を見守る市民ら
< 過去のニュース短信へ >     <ニュースの窓へ>     <トップページへ>