川越まつり 2009.10.31

授業の成果・問題点は?
 「子ども大学かわごえ」が教育活動を検証

子どもたちと保護者らを交えた座談会で司会を務める矢倉久泰理事(右)
子どもたちと保護者らを交えた座談会で司会を務める矢倉久泰理事(右)

半年の成果や問題点を検証
 今年3月に開校した「こども大学かわごえ」の教育活動発表会が、31日午後2時から4時まで三久保町の市立中央図書館で開かれました。
 これは同校のこれまでの活動を振り返り、成果や問題点を分析しながら今後に活かすとともに、広く教育関係者に知ってもらおうと「まなびピア埼玉2009生涯学習フェスティバル」の一環として開かれたもの。
 発表会には、これまで授業に参加した学生(子どもたち)や、その保護者・講師らも参加。座談会形式で授業の感想や改善点などについて話し合われました。

これまでの経緯や今後の計画について話す酒井一郎事務局長
これまでの経緯や今後の計画について話す酒井一郎事務局長
「将来は定員倍増やシニアクラス新設」
 冒頭、同校の開校・運営に携わってきた酒井一郎事務局長が、設立の理念や経緯・授業内容・今後の計画などについて説明。
 来年3月には蓮馨寺で一般市民と一緒に学園祭「こどもがつくるまち・ミニかわごえ」の開催を予定していること、将来的には入学生数を現在の100人から200人に増やし中学1〜2年生(50人)のシニアクラス新設を検討していることなどが発表されました。

夢を持って自ら学ぶことの大切さを話す遠藤克弥学長
夢を持ち自ら学ぶことの大切さを話す遠藤克弥学長
「夢を持って自ら学ぶこと」
 続いて、まなびピア埼玉の副会長で「子ども大学かわごえ」学長の遠藤克弥・東京国際大副学長が「開校前は想定していた定員50人も集まるか不安でしたが倍以上の応募があり、子どもたちの熱心さに驚くとともに、選んでしまうことは『学びたいという子どもたちの希望を損ない、子ども大学の理念に合わない』と希望者全員を受け入れました」と挨拶。
 また、「さいたま市出身の若田光一さんは小さいころから航空工学をやってみたいという夢を持ち、そのためには自分はどうしたらいいかということを考えて勉強し、宇宙飛行士の募集に手を挙げた。若田さんも『小さいころから夢を持って学ぶことで夢はかなう』と言っています。学校で基礎を学びつつ、ほかの所でも進んでいろいろな事を学び、夢を実現させてほしいと思います」と、夢を持って自ら学ぶことの大切さを訴えました。

「飛行機はなぜ空を飛ぶことができるのか」の研究を発表する福留悠太郎くん
「飛行機はなぜ空を飛ぶことができるのか」の研究を発表する福留悠太郎くん
授業後に図書館や博物館で研究
 今年3月、4回連続で行われた望月修・東洋大工学部教授の特別授業「なぜ飛行機は空を飛ぶことができるのか?」を受講し、その懸賞論文で優秀賞に輝いた福留悠太郎くん(鶴ヶ島市立栄小5年)が自らの研究を発表。
 福留くんは授業を受けた後、図書館で何冊も本を借りて読んだり、所沢の航空航空発祥記念館で調べたことを基に紙飛行機を作って研究したといい、「これまでは紙飛行機が飛ばなければ失敗作と思っていましたが、空気について学び、機体のバランスを整えたり変化させることで紙飛行機の飛び方が変わり、面白かった。身の回りにある空気に、こんなにいろいろ難しい事が詰まっているとは思わなかったけど、たくさんの事が分かって楽しかった」と話していました。

「お金のヒミツ」の研究を発表する関根茉莉香さん
「お金のヒミツ」の研究を発表する関根茉莉香さん
「将来は人の役に立つ仕事をしたい」
 10月に池上彰・客員教授の授業「お金のヒミツ」を受講した関根茉莉香さん(古谷小6年)は「授業を聞いて、経済は人の暮らしそのもので難しいものではないこと、お金のデザインには国の政治情勢などが深く関わっていること、物の値段は需要と供給のバランスで決まることなどが分かりました。将来は人の役に立ち喜ばれる仕事をしたいと思いました」と授業を受けた感想を発表しました。

「世界はひとつではない」の研究を発表する野村亮輔くん
「世界はひとつではない」の研究を発表する野村亮輔くん
人間の紛争や対立に疑問
 また、同じ池上さんの授業「世界地図はひとつではない」を受講した野村亮輔くん(川越第一小4年)は「僕は新聞やテレビで見る場所がどこにあるのか地図で調べるのが大好きなので、池上先生の授業を楽しみにしていました。国際関係論という難しい内容がクイズ形式で分かりやすく教えてもらい、それぞれの国の歴史や政治情勢で世界地図の描き方が異なることなどが面白かった。電車に乗って『国境なき医師団』の広告を見て、国境は必要なのか疑問が湧きました。宇宙から見た地球には国境線がなく、なぜ人間は紛争や対立を繰り返すのだろうと思いました」と話していました。

座談会で感想を話す久保田純玲さん
座談会で感想を話す久保田純玲さん
授業に率直な感想や意見
 授業を受講した子どもたちや保護者を交えた座談会では矢倉久泰理事が司会を務め、3月に「なぜ電車の席は隅から埋まるのか」を講義した東京国際大の角山剛・人間社会学部教授も出席。
 矢倉さんの「なぜ子ども大学に行きたいと思ったのか?」の質問に、子どもたちは「授業の内容が面白そうで興味があったから」「学校では教わらないことが学べると思ったから」「大学の講義を受けてみたかったから」などと回答。
 「授業は分かりやすかったか」の問いには「クイズや実験があって分かりやすかった」「授業は面白かったけど進むのが早かった」「授業に出てくる言葉がちょっと難しかった」「もっと詳しく知りたいので授業時間を長くしてほしい」などと答えていました。
 「これから取り上げてほしいテーマは」の問いには、先端技術についてや芸術系のテーマなどの要望が出されました。

子どもたちの反応にびっくり
 また、授業を受けた感想として「将来は人のためになる仕事をしたい」「皆いろんな人に大事に育てられているから、絶対に人を傷つけたり殺したりしてはいけないんだと思いました。将来は人を守る職業に就きたい」などの意見が出ていました。
 保護者からは「授業の後も子どもと授業の話をしたり話題を共有できて良かった」「飽きっぽい子だと思っていたのに、回を重ねるごとにのめり込んでいく様子に驚いた」「日常生活で『なぜ・何で』という言葉が増えて過程を考えて掘り下げていくいくことが多くなった」などの声が聞かれました。
 角山教授は「子どもたちは、だんだん前のめりになって熱心に講義を聞いている。また、授業を受けて関心を持ったことをすぐに調べたり、新しい知識を自分で広げ吸収している。これが大切なことで、これからも家庭でこうした話題について話し合ったり、一緒に出掛けたりして関心を持ち続けてほしい」と話し、子どもたちの熱心な受講姿勢に感心していました。

(写真は三久保町の市立中央図書館で)

講義の際の子どもたちの反応について話す角山剛教授
講義の際の子どもたちの反応について話す角山剛教授
子どもたちや保護者の授業感想について発表する竹沢事務次長
子どもたちや保護者の授業感想について発表する竹沢事務次長

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