川越市の川合善明新市長は25日、就任後初の市議会となる第1回定例会に臨みました。午後2時半から登壇した川合市長は、今後の市政方針について「改革・公正・公開」の基本姿勢と行財政改革の下、選挙公約に掲げた「まち・ひと・くらし・しくみ・げんき」の5分野で「かわごえづくり」を推し進めていく姿勢を表明しました。
全体的には市長として広い分野に気を配っており、公正さを重視し市政を改革したいという意気込みは感じられるものの、具体性に欠けた内容になっています。
くしくもこの日はオバマ米大統領が議会で施政方針演説し、逆境の中にあっても具体的で思い切った政策を打ち出し、そのメッセージが国民の意識を鼓舞する力強い印象を与えたものと比べ、心に響くには今一つ。川合市長は選挙中、さらに踏み込んだ内容で支持を訴えていただけに、傍聴する満場の市民からは「明日の仕事や住まい・生活に困っているのに…」「新市長には具体策を期待しているのに…」といった声が聞かれました。
冒頭、川合市長は「景気後退は昨年秋以降、厳しい状況が続いており、特に地域経済や雇用情勢に対し深刻な影響を及ぼしている。生産調整や労働者の解雇・派遣切りなど、多くの人々が不安を抱え将来に対する希望を見出せない状況にある中、市民が将来にわたり安心し生き生きと暮らすために住民福祉を増進し、市民の視点に立った市政運営が大変重要であると考える」と前置き。
「川越市は農業・商業・工業も県下で上位にあるなど、都市の潜在的能力は極めて高い。市民33万7,000人の知恵と郷土愛がまちづくりの原動力。社会情勢は過去に例を見ない厳しい状況だが、今こそが改革の絶好の機会。議会や市民の支援と協力の下、清新な発想で大胆な改革を実現し、この社会情勢を乗り切ることができると確信している。さまざまな課題に対し正面から向き合い、勇気を持って決断していく」と話しました。
基本姿勢の「改革」について川合市長は「市長給与と退職手当を見直し、20%削減に取り組む。市政の硬直化や弊害を防ぐため、多選自粛条例を制定したい。一段と厳しさを増す財政状況を踏まえて徹底した行財政改革を行い、限りある人的・物的資源を市政運営に最大限活用する」と話しました。
「公正」については「一部の者のためではなく、市民全体にとって利益になることを常に意識しながら、市民の立場に立った公正・公平な市政を行う」と表明。
「公開」については「市民・市協働の市政を実現するためには、情報の共有と相互理解が重要。市の情報を市民の共有財産とし、分かりやすく的確に市民に公開する」と約束しました。
続いて川合市長は、現在空席になっている副市長について「円滑な行政運営のためにも選任が必要」と話し、実務で市長を補佐する副市長を置きたい考えを示しました。
行財政運営については「景気後退や少子高齢化で扶助費など義務的経費が増加するなど、大変厳しい状況。今後必要な対策を講じない場合、将来への投資や新たな行政需要に向けた経費の確保が困難になる。徹底した事業見直しで経費の無駄を省き、選択と集中により限られた財源を重点的・効率的に配分。創意と工夫で財源確保に努め、健全で持続可能な財政運営に努める」と述べました。
5つの「かわごえづくり」ビジョンでは、中心市街地の交通渋滞緩和・郊外型駐車場の整備・パークアンドライドの実施による「まちづくり」を挙げ、新庁舎の建設については「交通渋滞や地域に対する影響・市全体のまちづくりを考慮する必要がある。市庁舎建設特別委での審議を踏まえ、市民の意見を聞きながら慎重に検討したい」と話しました。
「ひとづくり」では「次代を担う子どもたちとその親への支援が課題。すべての小・中学校の耐震化を最優先する」とし、「幼稚園就園奨励費の拡充・乳幼児健診の充実・保育園待機児童の対策・就労支援センターの設置」の実現を目指す考えを示しました。
「くらしづくり」では、老朽化した市斎場の建設やごみ減量・就労支援などを挙げ、「しくみづくり」では「行政資源(人・物・金)を選択と集中により必要なところへ配分。契約入札制度を改革し、公正で透明性の高い公共事業を進める」とし、「住民投票条例や自治基本条例の制定に向け準備する」と話しました。
「げんきづくり」では、産科・小児科の医療従事者不足の解消や患者の受入体制の充実を挙げ、「たらい回しのない救急医療体制の確立に努める」としています。また、小学生を持つ保護者や75歳以上の高齢者の負担を軽減するため、段階的に医療費の無料化について取り組む考えを示しました。
川合市長はこのほか、当面の課題として「行財政運営、保健・医療・福祉の充実、教育・文化・スポーツ振興、都市基盤・生活基盤整備、産業・観光振興、環境対策、地域社会や市民生活の向上に活躍する団体などへの支援」について積極的に取り組んでいく考えを表明し、議会の理解と協力を求めました。
(川越市議会は、ある特定の報道機関を除き撮影や録音が禁止されているため、このページとトップページに掲載した写真は9日に川合市長が初登庁した際に撮影したものです)
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