川越まつり 2010.02.20

江戸の生活に見習えるか?
 「かわごえ環境フォーラム」で石川英輔さんが講演

江戸時代と現代社会の違いについて分かりやすく話す石川英輔さん(右)
江戸時代と現代社会の違いについて分かりやすく話す石川英輔さん(右)

特別講師に石川英輔さん
 かわごえ環境ネット(小瀬博之理事長、個人・団体会員160)が20日午前10時から午後4時まで、菅原町のクラッセ川越で第8回「かわごえ環境フォーラム」を開催。会員らが日ごろの活動成果などを発表しました。
 今回は特別講師として、SF作家の石川英輔さん(77)が「江戸の生活に見習えるか?」のテーマで講演。こどもからお年寄りまで100人を超える市民がフォーラムに参加しました。


村上正明副理事長
村上正明副理事長
小瀬博之理事長
小瀬博之理事長
10年間、川越の環境守る
 同会は官民が協力して川越の自然や環境を守っていこうと、2000(平成12)年8月に発足。約10年間にわたり、望ましい生活環境の実現に向け活動を続けています。

「環境保全活動を広めよう」
 フォーラムは、村上正明副理事長が司会司会進行。
 理事長の小瀬博之・東洋大准教授が、主催者を代表して「今年は10周年を迎え記念事業を行っていくが、個人会員も増えてきている。活動内容は毎年この場で発表されるほか環境活動報告書にまとめて残しており、これを基に広く市民の理解を広め一緒に環境活動を繰り広げていきましょう」などと挨拶しました。
「アークサンド」について説明する高根沢さん
「アークサンド」について説明する高根沢さん
高根沢美香さん
高根沢美香さん
畑直之さん
畑直之さん


ごみ焼却灰再利用で雑草抑制
 この日、事業所の取り組みとして紹介されたのは、鯨井の建設会社・初雁興業(関根賢一社長)の「雑草抑制処理工法」。
 ごみ焼却灰の再生品「アークサンド」を埋設することで、除草剤などの化学合成物質を使うことなく雑草の生えにくい環境がつくれるといい、無害なうえ草刈りが不要または抜きやすくなるため維持管理が削減できるメリットや、ごみ減量に効果があると紹介。
 研究・開発にあたった同社の高根沢美香さんと畑直之さんが、パソコン画面を投影しながら製品の特徴や開発の経緯などを説明しました。

学生や市民も活動を発表
芝浦工大の宮澤玄哉さん(左)ら
芝浦工大の宮澤玄哉さん(左)ら
原嶋昇治さん
原嶋昇治さん
福原こどもエコクラブの宮岡アイ子さんら
福原こどもエコクラブの宮岡アイ子さんら
大久保彦さん
大久保彦さん
大辻晃夫さん
大辻晃夫さん
賀登環さん
賀登環さん
 大学の取り組みとして紹介されたのは、芝浦工大の「アースデイ・イン・川越立門前におけるエコマネー使用が環境意識向上に及ぼす効果の実験」。
 学生の宮澤玄哉さん・中口毅博さんが、昨年10月に開かれた同イベントで通貨の代わりに導入した地域通貨「エコマネー」について、利用者アンケートで小学生らの6割が「環境に対する理解が深まった」と回答していること、利用される量が店舗によって大きく差が出たことなどを報告しました。


金子廣行さん
金子廣行さん
 市民の取り組みとしては、金子廣行さんが「ストックホルムと川越市の環境意識の違い」、原嶋昇治さんが「南小畔川の清掃と水辺再生」、武田侃蔵さんが「水と緑と伝統のまち川越を12回、掃除しながら歩いてみて」、大久保彦さんが「県内の絶滅危惧種と珍しいキノコ」、渡辺利衛さんが「社会環境部会の活動」、大辻晃夫さんと賀登環さんが「自然環境部会の活動」について発表。
 このほか、福原こどもエコクラブ(9人)の宮岡アイ子さんらが、子どもたちと一緒に「雑木林のエコ利用と土のひみつ」の取り組みについて報告。雑木林にある竹や枯れ枝・落ち葉などの再利用やクマゼミの観察、グリーンカーテンの実験について紹介すると、会場から盛んに質問が寄せられていました。

江戸時代の暮らしについて分かりやすく話す石川英輔さん
江戸時代の暮らしについて分かりやすく話す石川英輔さん
ホワイトボードを使い、資源の無駄遣いなどについて話す石川さん
ホワイトボードを使い、資源の無駄遣いなどについて話す石川さん
江戸の暮らしをヒントに
 午後2時からは、ゲストの石川英輔さんが登壇。
 「大江戸シリーズ」として江戸時代の人々の生活をテーマにした多くの著書で知られる石川さん。今回、石川さんから江戸の生活の知恵を学び、小江戸川越に暮らす私たちの生活に活かすヒントを学ぼうと講師に招きました。

江戸時代はエコロジー
現代社会はエコノミー

 石川さんは「環境問題に目を向けた場合、江戸時代の生活に学ぶことはいっぱいある」と前置き。
 「現代人は毎日、1人あたり12万キロカロリー以上という膨大な量の化石燃料(石炭・石油・天然ガス)を消費して暮らし、膨大なCO2を排出している。65kgの人間1人を運ぶのに、1トン以上もある鉄のかたまり(自動車)をガソリンを使って動かしている。こんなことが、いつまでも問題もなく続くわけがない」と話し、「CO2を吸って育った木を燃やしてもCO2は増えず、江戸時代は『エコ時代』だった。経済第一主義の現代は同じエコでもエコノミーの『エコ時代』。グルメブームで飽食の末に太ってしまい、ダイエットでまた金を掛けている」と現代生活の無駄を訴えました。

環境フォーラムには、こどもからお年寄りまで幅広い年齢層の参加者が
環境フォーラムには、こどもからお年寄りまで幅広い年齢層の参加者が
環境フォーラムには、こどもからお年寄りまで幅広い年齢層の参加者が
「灰市」の拠点だった小江戸川越
 石川さんは「江戸時代の最大のリサイクルといえば稲作。薪(まき)や炭を燃やした灰のほか、排泄物は農家が肥料として買い取って農業に使い、土に返した。刈り入れ後のわらも全部無駄なく使った。金になるものを捨てる人はいないから、環境破壊は起きなかった」と話し、「江戸時代は、灰を商う『灰買い』がいた。川越は、新河岸川の水運で江戸から貴重な灰を運び、備蓄・販売する『灰市』の一大拠点だった。灰汁は洗濯やマユ糸の精錬にも使われたため、関東一円から買い付けに来ていた」と、"小江戸川越"と呼ばれたもう一つの理由を紹介しました。

子どもたちの反応にびっくり
 また、石川さんは「江戸時代は社会全体が日の出・日の入りに合わせて動いていた。無駄なエネルギーを浪費しない合理的な仕組みだったと思う。石油を代替エネルギーに変えてCO2を減らせばいいというものではない。江戸時代の暮らしをヒントに身の回りの無駄を減らしていけば、自然と環境破壊は減っていくのではないかと思う」などと、シンプルで合理的な江戸時代の生活様式に目を向けることが環境保護につながる、との考え方を話していました。
(写真は菅原町のクラッセ川越で)

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