川越まつり 2010.01.22

相原画伯の「北の十名山」一堂に
 川越市立美術館でジロジロツアー

椎橋元館長(手前・右から3人目)の解説を聞きながら作品をじっくり鑑賞するジロジロツアーの参加者
椎橋元館長(手前・右から3人目)の解説を聞きながら作品をじっくり鑑賞するジロジロツアーの参加者

「北の十名山」市内で初展示
 川越市が生んだ洋画家・相原求一朗氏(1018〜1999)の晩年の連作「北の十名山」。その全10作品が現在、郭町の市立美術館に初めて勢揃いし展示されています。22日には、これらの作品などを専門家の解説を聞きながら館内の作品をじっくり鑑賞しようという「ジロジロツアー」が行われました。

会議室で美術作品や作家について話す椎橋次郎さん
会議室で美術作品や作家について話す椎橋次郎さん
元館長の椎橋次郎さんが案内役
 同ツアーは市立美術館の今年度事業の一つで、今回が6回目。元館長の椎橋次郎主査が解説・案内役を務めることから、名前の「次郎」と「じっくり鑑賞」とをかけて「ジロジロツアー」と名付けられています。
 この日、事前の申込で参加した市民10人は館内の作品鑑賞に先立ち、会議室で「富士山を描いた名画と作家」について椎橋さんから話を聞きました。
 椎橋さんは、葛飾北斎の「富岳三十六景」・横山大観の「山に因む十題 龍踊る」・梅原龍三郎の「朝陽」などを紹介しながら、作家や作品の特徴や時代背景などについて、スライドを使って分かりやすく説明。
 "美術館の生き字引"とも呼ばれる元館長の豊富な知識から繰り出される解説に、参加者らは引き込まれて聞き入っていました。

「春宵 斜里岳」(1995年)
「春宵 斜里岳」(1995年)
「山峡新緑 羊蹄山」(1995年)
「山峡新緑 羊蹄山」(1995年)
「春の丘陵 トムラウシ山」(1995年)
「春の丘陵 トムラウシ山」(1995年)
「山頂残雪 雄阿寒岳」(1995年)
「山頂残雪 雄阿寒岳」(1995年)
「錦繍装う 羅臼岳」(1995年)
「錦繍装う 羅臼岳」(1995年)
「水ぬるむ 雌阿寒岳」(1995年)
「水ぬるむ 雌阿寒岳」(1995年)
「潮騒に屹つ 利尻岳」(1995年)
「潮騒に屹(た)つ 利尻岳」(1995年)
「山麓紅染む 旭岳」(1995年)
「山麓紅染む 旭岳」(1995年)
「雪の平原 十勝幌尻岳」(1996年)
「雪の平原 十勝幌尻岳」(1996年)
「早暁 十勝岳」(1998年)
「早暁 十勝岳」(1998年)
川越の生んだ2人の画家
 館内の作品鑑賞では、「北の十名山」を含む相原作品28点のほか、同じく川越の生んだ日本画家・小村雪岱(せったい・1887〜1940)の作品34点(2期に分け半分ずつ展示)を、椎橋さんの解説を聞きながら見て回りました。

「十名山」は分けて展示
 中でも相原氏が晩年、六花亭製菓の小田豊社長の依頼で、北海道の山々を描いた連作「北の十名山」が川越に揃うのは初めて。常設展示する北海道中札内村の相原求一朗美術館から借りて実現したもの。
 昨年、丸広百貨店で開かれた没後10年展「道 北の大地ひと筋 相原求一朗の世界」でも見ることができなかった貴重な展示で、他の作品とは分けて1階の相原求一朗記念室に「北の十名山」だけを集め、120号の大作「早暁 十勝岳」を含む10作品が見渡せるようになっています。

感想話しながら鑑賞
 椎橋さんは作品の前で、色調や描き方など一つひとつの特徴について解説しながら、参加者と意見を交換。参加者もそれぞれが感想を言い合うなど、楽しみながら順に見て回っていました。
 参加者は「十名山のうち何点かは見たことがあるけれど、全部見るのは初めて。圧巻です」「こうして揃ったのを見ると、相原氏の山への思いが伝わってくるよう。感動しました」などと話していました。

参加者それぞれが感想を話しながら作品を鑑賞
参加者それぞれが感想を話しながら作品を鑑賞
展示は3月28日まで
 特別公開「相原求一朗 北の十名山」展は、3月28日まで開催(午前9時〜午後5時、3月22日を除く月曜は休館)されています。観覧料は一般200円、大学・高校生100円、中学生以下と障害者は無料です。
 また、雪岱の作品は2月14日まで、埼玉県立美術館で開催中の「小村雪岱とその時代」展でも見ることができます。
(写真は郭町の川越市立美術館で)
120号の大作「早暁 十勝岳」(右)など十名山すべてを生で見られる貴重な機会
120号の大作「早暁 十勝岳」(右)など十名山すべてを生で見られる貴重な機会

 <ニュース・スケッチへ>        <タイムカプセルへ>