2009.10.12

まちが支えた歌声、境内に響く
 第4回「第九の夕べ in 喜多院」で市民らが合唱

ソリスト4人を迎え、宮寺さんの指揮で国宝の本堂の前で第九を合唱する市民ら
ソリスト4人を迎え、宮寺さんの指揮で国宝の本堂の前で第九を合唱する市民ら

地元自治会らで実行委員会
 市民有志らのドイツ語による合唱コンサート「第九の夕べ in 喜多院」が、12日午後6時から小仙波町の喜多院本堂前で開かれました。
 今年で4回目を迎えるこの催しは、地元自治会を中心に組織された「喜多院で第九を歌う会」(朝日明実行委員長)が主催。今回も、川越市出身で埼玉中央フィルの常任指揮者・宮寺勇さんが音楽総監督と指揮を務めました。


開会挨拶する朝日明実行委員長
開会挨拶する朝日明実行委員長
岩沢幸嘉・小仙波町自治連合会長
岩沢幸嘉・小仙波町自治連合会長
挨拶する喜多院の塩入秀知住職
挨拶する喜多院の塩入秀知住職
音楽総監督と指揮を務めた宮寺勇さ
音楽総監督と指揮を務めた宮寺勇さん
閉会の挨拶をする小野澤康弘・事務局長
閉会の挨拶をする小野澤康弘・事務局長
発端はお父さんコーラス
 このコンサートは、15年ほど前に小野澤康弘事務局長ら有志15人で活動していたサークル「お父さんコーラス」の仲間が、サークルを指導していた宮寺さんらと「いつか第九のコンサートがやりたい」と夢を語っていたのが発端。
 4年前、小野澤さんらが川越青年会議所のOB有志で組織する「未来クラブ」の例会として、単発の「第九の夕べ in 喜多院」を催したのが始まりです。

第九で地域の芸術文化向上を
 喜多院の地元・小仙波町で生まれた小野澤さんらが中心となり、「地域の芸術文化の向上のため、せっかく実現した第九の夕べを続けよう」と地域の有志を中心とした「喜多院で第九を歌う会」が結成され、2回目以降の主催を引き継ぎました。
 3回目以降は自治会も一緒になって開催。
回を追うごとに合唱の参加者が増え、今年は238人の大編成に。

ハード・ソフト両面で協力
会場の設営や片付けなどにあたった地元の人たち
会場の設営や片付けなどにあたった地元の人たち
 地元の人らの理解も年々深まり、今では会場の設営や受付・駐車場の整理や会場の警備に至るまで、大勢の人が協力しています。
 また、4月から本番まで月2回ずつ午後6時半から約2時間、12回の練習を重ねてきましたが、その会場を「あそか幼稚園」が提供。趣旨に賛同して会場を提供している喜多院の協力はもちろん、第一小学校が会場の椅子650脚を貸してくれるなど、さまざまな団体もバックアップ。

まちが支える手作りコンサート
 かつては運営費を賄うため企業などの協賛を考えたこともありましたが、「地元の人たちがボランティアで力を合わせ、自由な形でやっていこう」と決め、"まちが支える手作りコンサート"になっています。
 2回目から実行委員長を務める朝日さんは「喜多院は小仙波町の象徴。1丁目から5丁目までの自治会長が実行委員となり、まち全体で盛り上げてくれている。皆の力が合わさって、この森で歌えることが『喜びの歌』です」と話していました。

元音楽教師の北村さんらが初心者を指導
 合唱のメンバーのうち、今年は昨年より20人多い60人が地元の人たち。「自分も歌ってみたいけど、楽譜やドイツ語も読めないし…」という人には、川越南高校の元音楽教師の北村節子さんとピアニストの福田奈穂美さんが一から指導。初心者のメンバーからも「2人のおかげで、ここまで来れた」と喜びの声が聞かれました。
全員が初めて集まって行われた合同練習では宮寺さんが指導=9月18日、鯨井の南文化会館メルトで
全員が初めて集まって行われた合同練習では宮寺さんが指導=9月18日、鯨井の西文化会館「メルト」で
 北村さんは「第九は音域が広く、技術的に難しい曲。カタカナを振った歌詞やパートごとの練習CDを使い、皆さん合同練習だけでなく自宅でも頑張られていたので、3〜4カ月でだいぶ歌えるようになりました」と話していました。

2台のエレクトーンでオーケストラを担当した内海源太さん(左)と川島容子さん
2台のエレクトーンでオーケストラを担当した内海源太さん(左)と川島容子さん
エレクトーン演奏やソリスト独唱で開幕
 この日のコンサートは、エレクトーン2台でオーケストラを担当する内海源太さんと川島容子さんの演奏からスタート。川越の三芳野神社が発祥の地といわれる「通りゃんせ」など、なじみ深い曲が境内に響きました。
「荒城の月」を歌うバリトンの原田圭さん
原田圭さん
「小さい秋みつけた」を歌うメゾソプラノの高橋ちはるさん
高橋ちはるさん
「歌の翼に」を歌うソプラノの永崎京子さん
永崎京子さん
「千の風になって」を歌うテノールの黒田大介さん
黒田大介さん

 続いて、合唱にも参加の4人のソリストがプロの独唱を披露。バリトンの原田圭さんが「荒城の月」で、メゾソプラノの高橋ちはるさんが「小さい秋みつけた」で、ソプラノの永崎京子さんが「愛の翼に」で観客を魅了しました。今回から参加の黒田大介さん(テノール)は「千の風になって」を朗々と歌い上げて会場を酔わせていました。

子ども合唱から会場全体の大合唱まで
 本堂の階段に、ひな人形のように並んだのは第一小学校の子どもたち。宮寺さんの指揮で「うたえバンバン」「すてきな友達」など3曲を元気よく合唱。3曲目は"昔の子どもたち"も交じって 「夏の思い出」を歌いました。
 7時からは、正装した市民ら238人がベートーベンの交響曲第9番「合唱付」の第4楽章から「歓喜の歌」を合唱。練習の成果もあって息もぴったりで、力強く美しい歌声が境内に響き渡っていました。
 最後には観客も一緒に「よろこびの歌」と「ふるさと」を歌って秋の夜の野外音楽会は幕を閉じました。

(写真は小仙波町の喜多院で)
第一小の子どもたちも元気な歌声を披露
第一小の子どもたちも元気な歌声を披露
初心者を笑顔で励まし舞台へ送り出す宮寺さん
初心者を笑顔で励まし舞台へ送り出す宮寺さん

最後は観客も一緒に「よろこびの歌」を合唱
星空の下、総勢238人の歌声が喜多院の境内に響く
星空の下、総勢238人の歌声が喜多院の境内に響く

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